2011年5月9日月曜日

[特集]5つの疑問から「通貨戦争」の真相を探?

 【新華サイト北京=明金維 汪平】 ドル安基調が続く中で多くの国が自国通貨を安く誘導するための為替介入に迫られている。ここにきて「通貨戦争」の議論が沸き立っている。

 ■疑問1:「通貨戦争」とは何か

 これまでの理解では「通貨戦争」とは一国が強い経済力と金融力をバックに為替政策を利用して経済手段においてライバル国に打撃を与え、その国の富を奪う事を指す。このため、「通貨戦争」は本質からいえば、計画的かつ目的性と破壊性を備えた「経済戦争」の一種であり、国同士の矛盾紛争が激化した現れだ。

 ただこうした意義を持つ「通貨戦争」は、現状に置きかえると推測、観測の段階に過ぎず、まだ各国がこうした「自殺的な行動」をとっているかを検証できる確実な証拠はない。

 現在の世界経済情勢と結びつけると、「通貨戦争」に含まれる意味は簡単かつ明確だ。経済が低迷する一部の国?地域が、輸出を刺激し、雇用を創出するために意図的に自国通貨を安く誘導する。この動きが広がると、各国間の利益衝突がエスカレートし、最終的に世界経済の回復ペースを遅らせ、その影響力が「戦争」を彷彿させる。

 各国の通貨?為替政策での対立と矛盾は増加しているが、この局面はまだ「戦争」とは言えない。欧米メディアは繰り返して「通貨戦争」を取り上げているが、これは国際社会の緊迫した雰囲気を助長させている。 nexon ポイント RMT


 ■疑問2:「通貨戦争」の仕掛け人は

 表面的に見て、今回の「通貨戦争」は米中の人民元為替レートを巡る紛争がきっかけとみられる。

 元をただせば仕掛け人は米国だ。米国の一部政客が国内の政治圧力を人民元切り上げ問題に転嫁させた。米経済は回復が遅れ、経済問題が11月の中間選挙の焦点になっている。

 米連邦準備理事会(FRB)が大量の通貨を市場に供給したことも「通貨戦争」をあおった。FRBは超低金利金利政策を続けると同時に、金融資産を購入する形で自国の金融システムに大量のドルを投入した。その過程は「ドル印刷機を稼働させた」と言われるほどだ。これによってドルの先安観が高まると同時に、大量のドル建て資金が新興国や途上国に流れた。ドル安は多くの国に通貨高をもたらし、その国の輸出に打撃を与えるだけでなく、金融システムの安全までも脅した。やむを得ずに他国が為替介入に踏み出し、結果「通貨戦争」の局面が表れた。

 一部の米政客の目には、FRBによるドル安誘導は至って「合理的」だが、他国による経済?金融安全確保を前提とした自国通貨安競争は「非合法」と映っている。まさに身勝手な「二重基準」だ。

 ■疑問3:「通貨戦争」がもたらす影響は

 「通貨戦争」が本格的に始まれば、世界経済と金融安定に深刻
な衝撃をもたらす。

 世界一の経済大国である米国がドル紙幣の増刷を続ければ、世界的にドルの流動性が過剰し、ドル安を招き、他国通貨への投機行為が深刻化する。典型的な結果は、大量のドル建て投機マネーが新興国?途上国に流入することだ。これらの国が為替介入しなければ、自国内で株式と不動産バブルを引き起こす恐れがある。一方で通貨供給を増やせば、インフレを引き起こしかねない。

 ドル安はコモデティ価格の高騰ももたらす。グローバル金融危機発生前に世界が経験した原油価格の暴騰と食糧危機が再び発生する恐れがある。

 さらに重要なのは、各国がグローバル金融危機後の協力精神を放棄し、自国の利益のみを追い求めるようになれば、世界経済に深刻なダメージをもたらす点だ。1930年代の世界大恐慌時代は、各国が「自国優先」政策を講じたために保護貿易主義がはばをきかせ、世界経済の回復が遅れた。これは手痛い教訓となっている。

 ■疑問4:「通貨戦争」で中国が警戒すべき点は

 今の中国にとって警戒すべきなのは、一部の西側メディアが独自のロジックで今回の「通貨戦争」の起因と解決方法を説明する中で、中国が誤解される可能性が高いことだ。

 上述した通り、「通貨戦争」のきっかけは米政客が人民元切り上げを問題化するとともに、FRBがドルの供給を増やしたこ Perfect World rmt
とだ。しかし一部の米政客や西側メディアは意図的にその事実を曲解し、しかも「通貨戦争」の解決に「責任を持つ」といった看板を掲げて中国に圧力をかけ、中国に責任を転嫁している。

 米のドル安誘導が多くの国が為替介入に迫られた根本的な原因であり、人民元を大幅に切り上げてもドル安背景下の新興国と途上国の受動的な通貨高問題は解決できない。

 ■疑問5:「通貨戦争」の解決の道は

 「通貨戦争」を解決するには、各国が1930年代の「世界大恐慌」の教訓を学び、協力精神を取り戻すことが必要だ。金融危機発生当初、国際社会は基本的に協力姿勢を維持した。しかし世界経済の回復と共にこの協力体制は揺らいだ。保護貿易主義が台頭し、マクロ経済政策の重点、為替レート、金融監督、国際金融システム改革などにおける各国の分岐が増え、国際社会の今後の協力に疑問を抱かせている。

 強調すべき点は、世界経済は回復を続けているが、潜在的リスクや課題はなお多く、危機から完全に脱出できていない点だ。国際社会が協力精神を貫くことは極めて重要だ。

 今回の「通貨戦争」は世界の通貨システムに存在する問題を再び露呈させた。つまり、ドルは米国の通貨である同時に、国際通貨としての機能も果たしているが、この2つの機能が矛盾し、対立していることだ。ドルの流動性過剰とドル安は世界の金融システムに新たな衝撃をもた くろネコ RMT
らすおそれがある。今は世界通貨システムを見直す時期に来ている。

(翻訳 崔蓮花/編集翻訳 松尾亜美)

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引用元:アトランティカ rmt

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